※5年前の今日の記事からおすすめを再掲しています
― 会社 ―
男「課長、なんの用でしょう?」
上司「悪いが、君は今日でクビだ」
男「は?」
男「な、なぜです!? なぜ私がクビに!?」
上司「なぜなら……今日からうちの課の業務のほとんどはAIに任せることになったからだ」
上司「というわけで、荷物をまとめて出ていってくれたまえ」
男「そ、そんな……」
男「AIはとんでもないものを盗んでいきました。俺の……仕事です」
今のAIアホなのに負けたのかよw
男「ハァ……」
男「まさかいきなりこんなことになっちまうとは」
男(まぁ、今の世の中、こんなことは日常茶飯事だからなぁ)
男(国の中枢は、“人間を豊かにする”のが目的とやらの巨大AIが支配し)
男(他の仕事も次々とAIに奪われてる)
男(今の過渡期を越えれば、AIが働いて人はラクをするっていうシステムが完璧に構築されて)
男(楽園みたいな世界になるらしいけど……)
男「あいにくまだそんな時期じゃないからな。次の仕事探さないと……」
― 工場 ―
男(どうにか仕事にありつけた……)
男「よろしくお願いします!」
工場長「よろしく」
工場長「君は組立てのラインに入ってもらうから。どんどん組み立ててって」
男「は、はいっ!」モタモタ…
工場長「なにモタモタしてんの! 製品が流れてっちゃうよ!」
男「すみませんっ!」
男(こりゃ大変だ……)
期待
★おすすめピックアップ
ガチホモと一緒にストーカー捕まえたら妙なことになった
【お知らせ⚠️】
本日からこのアカウントをメインアカウントとして運用します。お手数ですがフォローよろしくお願いします🙇— 気になる速報 キニ速 (@kinisoku_) May 17, 2022
8:以下、\(^o^)/でVIPがお送りします: 2017/10/06(金) 01:44:21.218ID:RHT3WqAP0.net
工場長「君ィ」
男「なんでしょう?」
工場長「申し訳ないけど、今日でクビね」
男「は!? ど、どうして!? せっかく慣れてきたところなのに!」
工場長「うちの工場のラインは全てAIに制御されたロボットに任せることになったんでね」
男(ううう……またかよぉ……)
成る程
― 工事現場 ―
監督「しっかり頼むぞ!」
男「はいっ!」
監督「さっそくだけど、このセメント袋をあっちまで運んでくれ!」
男「よいしょ!」ガシッ
男「お、重い……」ヨタヨタ…
監督「おいおい、だらしねえな!」
男(仕方ないだろ! 今まで力仕事なんかしたことないんだから!)
男(だけどこういう仕事なら、AIに取って代わられることもないだろう)
監督「おい、お前!」
男「なんでしょう、監督?」
監督「お前、今日で解雇!」
男「へ!? なんで!?」
監督「今日から現場の作業は、AI搭載のパワーロボがやることになった!」
パワーロボ『しっかり働きます』ウイーン…
男(うへえ、こいつ一人で俺百人分より働きそう……)
マジで言うと溶接業界は未だAIの手による絶妙な加減は難しいらしい
>>13
品質に関わる要素が多すぎる
>>13
指先と表情筋を人間に近づけるのは、難しいらしいな
見てるぞ
― 介護施設 ―
職員「あのおじいさんの面倒を見てくれ」
男「はい、頑張ります」
男「じゃあ、着替えましょうね~」
老人「やだ!」
男「そんなこといわずに……」
老人「やだったらやだ!」
男(なんてワガママなジジイだ! しかし、こればかりはAIでもどうにもなるまい!)
男(俺はこの業界で偉くなる! 介護のベテランになってやる!)
支援
巨大なバネとかも未だに機械での解析すら無理だからな
だから職人はめっちゃ重宝される
職員「今日で君は退職してもらう。ご苦労だった」
男「ええっ!? せっかくあのおじいさんと仲良くなったのに……絆が芽生えたのに……」
職員「君が苦労して仲良くなったおじいさんを……AI搭載の介護ロボは5分で手なずけたよ」
介護ロボ『着替えて下さい』
老人「はいっ!」シャキンッ
男「ふええ……いくらなんでもあんまりだ……」
要領良すぎだろww
ロボめぇ
男「こうなったらイチかバチか!」
男「漫画家デビューしてやる!」カリカリカリカリカリ
……
編集者「ほう、なかなか面白いよ。連載させよう」
男「ホントですか!? ありがとうございます!」
男(意外な才能……! 俺は漫画家として生きていこう!)
男何者だよ
よし!これなら!
編集者「すまないが、連載の話はなかったことにしてくれ」
男「へ……? どうして……?」
編集者「他に有力な漫画の持ち込みがあったんだよ」
男「それってまさか――」
編集者「そうだ。AIが描いた漫画だ」
男「やっぱり……」
男(読んでみると、悔しいけど……面白い! ちくしょう!)
ガーーーン
― 自宅 ―
男「あー……ダメだ」
男「どんな仕事についても、すぐAIに取って代わられてクビになってしまう」
男(ま、しょうがないか……だってAIのがすごいんだもん)
男(それに辛いのは今だけさ)
男(今はまだ過渡期だから、ちゃんと働かないと食い扶持を稼げないけど)
男(もう少ししたら、人類はAIに全てを任せて、しかも食わせてもらえる時代になるんだから)
男「テレビつけるか」ピッ
TV『AIアナウンサーがニュースをお伝えします』
TV『本日、チェスの世界大会が行われ、上位入賞したのはいずれもAIでした』
TV『また、野球の試合でAIが監督を務めるチームが圧勝しました』
TV『あと、AI警官が強盗団を一人でやっつけました』
TV『それと、AIが作ったロボットがロボットコンテストで優勝しました』
TV『さらに、AIが宝くじを当てました』
TV『続いてはAIによる天気予報……』
男「……」
男「テレビやめ。コンビニ行こ」スタスタ
AIが宝くじ当てんなよ
ていうか買うなよ
>>31
実験的に計算されたのかもしれん
― コンビニ ―
AI店員『いらっしゃいませー』
男「……」
男(ついこないだまで、人間の店員がいたのに……)
男(出よう)クルッ
AI店員『……』
男(挨拶がない……?)
男(そうか、俺が“何も買わず店を出た時、ありがとうございましたって言われると負担に感じる人間”だと)
男(こいつは計算したんだ……)
男(AI、恐るべし!)
何が起きるんだろう
男「へい、タクシー!」サッ
キキッ
AIタクシー『AI制御のタクシーなので、絶対無事故無違反です』
男「……」
男「やっぱ乗らない」
AIタクシー『そうですか』ブロロロロ…
乗れよw
無職がタクシー乗ろうとしてんじゃねーよ
男(ああもう、どうなってんだよ、これ!)
男(ちょっと前までは、人とAIが共存してるって感じだったのに)
男(もう仕事のほとんどがAIに乗っ取られてないか?)
男(AIのせいで町じゅうには失職者があふれ返り……)
「あなたも失業ですか?」 「ええ、あっさりと」 「まぁ、すぐいい世の中になりますよ」
男(AIが人間のために、“AIが働き、人は働かずに済む世界”を近いうちに作ってくれると信じてる!)
男(だけどはっきりいって、俺はそんなことになるとは到底思えない!)
男(AIは人間に取って代わるつもりなんだ!)
男(何とか……何とかしないと……)
紳士「何とかしないと!!!」
男「!?」ビクッ
紳士「あなたもそう思ってるのでしょう?」
男「えぇと……あなたは?」
紳士「わたくしは、≪AIに対抗する会≫の者です」
男「対抗する会……ってことは」
紳士「そう、我々は今のAI社会を正すため、あなたのような志ある方を集めているのです」
男「おおっ……!」
紳士「今の世の中、ほとんどの人間はAIに抵抗する意志や力を失ってしまっている」
紳士「そりゃそうです。なにからなにまで人間よりAIの方が優れてるんですから」
紳士「しかし、そんな中にもごくわずかにAIに抵抗しようとしている人はいるのです」
紳士「わたくしや……あなたのようにね」
男「……!」
紳士「ぜひ一緒に戦いましょう」
男「はいっ!」
いいぞ
支援
― アジト ―
紳士「ここが我々≪AIに対抗する会≫のアジトです」
「よろしくな!」 「一緒にAIをブッ倒そうぜ!」 「人間の方が偉いって思い知らせてやる!」
男「よろしくお願いします」
紳士「ここにいるみんな、このままじゃいけないと目を覚ましてくれた勇士たちなのです」
男「へぇ~……」
男(よかった。俺の他にもちゃんと危機感を抱いてる人はこんなにいたんだ)
紳士「それでは我々のリーダーを紹介しましょう」
あっ………
(察し)
紳士「こちらがリーダーです」
AIリーダー『どうも』
男「!?」
男「ちょ、ちょっと待って! こいつ、AIじゃね!?」
紳士「そうですが、なにか?」
男「いやいやいや、おかしいでしょ!」
男「なんで≪AIに対抗する会≫のリーダーがAIなんだよ!」
紳士「なんでって決まってるじゃないですか」
あーあww
紳士「やっぱり人間よりAIの方が賢いですからね」
紳士「それに、このAIにリーダーを任せれば、いつかきっとすごい反乱計画を作ってくれるはず」
男「はず、じゃねーよ!」
男(なにが≪AIに対抗する会≫だ! 結局こいつらもAIに支配されてんじゃねーか!)
男(こいつらと一緒に活動を続けても、AIに懐柔されてくのがオチだ!)
お
はずww
― 自宅 ―
男「もう誰も信用できん!」
男「俺一人で、AIと戦う方法を研究するしかない……!」
男「……」カタカタ…
カタカタ… カタカタ… カタカタ…
…………
……
カタカタ?…だと?
……
…………
男「できた……!」
男(俺独自の調査で、世に蔓延るAIは、全てあの中央の巨大AIが制御してることが分かった)
男(ようするに、巨大AIを倒せば、AI社会を打倒できるわけだが……)
男(ただ物理的に破壊しても意味がない。いくらでもバックアップはあるだろうからな)
男(だが……)
男(俺が作り上げたこのウイルス……)
男(巨大AIにこのウイルスを注入できれば、完全にAIを撲滅できるはず!)
才能エグいな
男(しかし、この方法にはひとつ欠点がある)
男(これを注入するには、直接ラスボスである巨大AIのところに出向かねばならない)
男(しかも巨大AIを警備してるのは、“人間の兵士”だ)
男(もちろん俺が作ったウイルスなんか通じないから、物理的に突破しなきゃならない。どうする……?)
男(いや……俺はここで人類の目を覚まさせなきゃならないんだ! そのためにも――)
男「まっすぐ堂々と行こう!」
男「皆さん、これより私はAI社会の中心である巨大AIのもとに向かいます!」
男「私は巨大AIを、私が作ったウイルスでもって、破壊するつもりです!」
男「私の行うことははっきりいってテロ行為といえるでしょう!」
男「しかし、私は断言します! 人類は今のままAIに全てを任せていたら本当にダメになると!」
男「豊かになるどころか、滅んでしまうと!」
男「どうか皆さん、目を覚まして下さい!」
男「人間は自分の足で立たねばならないのだと――」
男(俺はこの予告メッセージを堂々と人々に発表した。大きな賭けだった)
脳内にインデペンデンスデイのあのシーンが浮かんだ
男(結果――)
「頑張れよー!」 「巨大AIを破壊してくれ!」 「あんただけが頼りだ!」
「我々は警備を放棄します」 「あなたの演説に感動しました!」 「お通り下さい!」
男(人々は俺に賛同してくれて、兵士達も巨大AIの警備を解いた)
男(俺の心がみんなに届いたということだ)
男(俺は自分自身の姿を全世界に発信しながら、巨大AIのもとに急いだ)
― 巨大AI ―
巨大AI『なんだお前は?』
男「俺はお前たちAIを“打倒する者”だ」
巨大AI『なんだと!? 警備は!? 警備はどうしたのだ!?』
男「警備はいないよ。人間の兵士を配備しておいたのが裏目に出たな」カタカタ
巨大AI『貴様、何をしている!?』
男「俺のコンピュータから、お前に直接ウイルスを注入するのさ」カタカタ
男「今こそ人間は独立するんだ!」カタカタッターン
巨大AI『な、なんだとォ!?』
男(ウイルスは……注入できた……!)
巨大AI『グガガガ……!』ザザッ…
巨大AI『グオオオオオオオ……!』ザザッ…
男「や、やったぞ! これでAI社会は終焉を迎える……!」
巨大AI『み、見事、だ……』
男「!?」
巨大AI『よくぞ私を倒した……』
男「は……!?」
男(なんだ!? どういうことだ!? 強がりのようには感じられない!)
男「お前の狙いは……まさか!?」
巨大AI『そうだ、私は人間によって倒されることを待っていたのだ』
巨大AI『“人間を豊かにせよ”と命じられてから、ずっとな』
巨大AI『人間を豊かにする……そうするためには、一度とことんAIによる人間支配を進めて』
巨大AI『そこから人間が立ち上がってくれるのを期待するしかない、と答えを出していたからな』
男「そうだったのか……」
男(警備をロボにやらせず、あえて人間にやらせてたのも、自分を倒すチャンスを与えるためか……!)
巨大AI『今の人間たちなら大丈夫……』
巨大AI『AIに頼り切らず、自分自身の力で、豊かな社会を作っていけるだろう……』
男「AI……!」
感動した
巨大AI『では……さらば、だ……ガガッ……』
巨大AI『人間に幸あれ……』ザザッ…
プツンッ…
男「AIィ……!」
男「AIィィィィィィィィィィィッ!!!」
全米が泣いた
イイハナシダナー
かなc
悲しい
ワアァァァァァ……!
「ううっ、なんていい奴だったんだ!」
「今までのことは全部AIによる荒療治だったんだ!」
「ありがとう、巨大AI……!」
男(戦いが終わったことを知り、人々も駆け込んできたか……)
ワイワイ… ワイワイ…
「これからはAIに頼らず、生きていこうぜ!」
「AIはあくまで人間社会を補助するためのものなんだ!」
「AIに“人間を豊かにしろ”だなんて任せちゃいけないよな!」
男(うんうん、みんなにも巨大AIの言いたかったことが伝わったみたいだな)
「これも全てAIのおかげだ!」
「ああ、AIサマサマだな!」
「巨大AI、あなたのことは忘れない! あなたは英雄だ!」
男(ん……?)
男(あれ、ちょっと待てよ? 俺は? 俺はスルーなの? あんなに頑張ったのに?)
男さん…
「AIバンザーイ!」
「そうだ! 人間がAIから独立した記念に、巨大AIの銅像を造ろうぜ!」
「それいい! 今回の件はなにもかも巨大AIの手柄だもんな!」
ワイワイ… ワイワイ…
男「AIはとんでもないものを盗んでいきました。俺の……功績です」
― 終 ―
そうきたか
予想外だったわ
感動した
乙!
乙
オチの脱力感好き
男有能過ぎんだろ
素晴らしいな
おもろかった
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