オヤジがジャニオタだったので、緊急家族会議になった。

俺は、もし離婚になったらどうしようって事ばかり考えてしまって、おふくろに「離婚とかねーよな？ｗｗｗｗ」って聞いた。
おふくろは黙ってた。俺はマジで泣きそうになった。

おふくろより先にリビングに戻ると、オヤジが「例のは大丈夫か？」と聞いてきた。
だから俺は、「あぁ、ばっちりだよ」と答えた。
今回も俺は間違ってない。絶対にだ。

ｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗｗ

母「あなたから趣味を取り上げるつもりはありません」
父「……」
母「私も、趣味を持っていますし。あなたも趣味を持つ権利がある。むしろ持つべきだと思ってます」
父「……」
母「ただ、限度を考えて下さい」
父「……」
母「一月に何十万も使ってたら、さすがに破産するわよ」
父「……」
母「金額を決めて、金額内で全てを納めるようにして下さい」
父「…いくら？」
母「いくらって…一般家庭なんですから」
父「じ、十万くらいか…」
母「１０万！？」
父「多いか…じゃあ、」
母「３万円でどうですか」
父「……」
母「十分でしょ」

俺も十分だと思った。
でもオヤジは、指で何か数えてる。
「…５回か…」とぼそっと呟いたオヤジの声を聞き逃さなかった。

でも、今日からおふくろが生活費を管理する事になった。

母「おこずかい、という形で食費や雑費で○万円渡します」
父「はい」
母「それの他に趣味のお金、として３万円渡しますから」
父「はい」
母「それでいいですね」
父「…うーん」
母「まだ何かあるの？」
父「いや…」
母「言いなさいよ」
父「……」
母「早く」
父「…もうすぐコンサートがあるんだ」
母「……」
父「それのお金はまだ友人に支払ってない」

絶対今６万て言おうとした。
絶対言おうとしてた。

母「５万円！？」
父「じゃ、じゃあ４万円で…」
母「じゃあ４万円で何よ！！値切れる物じゃないでしょ！？」
俺「ｗｗｗｗｗｗ」

母「支払ったら、通帳から全て預けて下さいね」
父「…あと…」
俺「（まだあんのかよ…）」
父「それは、関東の分というか…」
母「　関　東　？　」
父「いや…一斉にだな、振り込むんだけど…」
母「けど？」
父「…うん。…そうだよな」

何に納得したんだオヤジｗｗｗｗｗｗ

母「お願いですから、これ以上隠し事はやめてよ？」
父「いや…」
母「…借金とか…大丈夫でしょうね？」
父「それはない。俺は無理しない体質だから」
母「無理する体質だからベンツ２台分も貢いだんでしょ！？」
父「……」
母「何もっともらしい事言ってんのよ！！！！」
俺「ｗｗｗｗｗｗ」

Aさんていうのが、オヤジとしんごを会わせてくれたいわばキューピットみたいな人らしい。
広告系の会社の人で、チケットがもらえるんだと。

俺「でも…さっき、沖縄のチケットは取れなかったとか言ってたじゃん」
母「そうよ。チケット用意してくれるなら『取れない』って事はないじゃない」

つーかむしろ金かかんないんじゃないか？とも思った。
だっていわば会社のコネチケットみたいなもんだろ？
俺はよく分からないが、そういうのはもらえるもんで買うもんじゃないと勝手に思ってた。

お前のオヤジ　だみだ

父「違う、違う。Aさんにもらっているんじゃない。Aさんの息子さんの名義（？）を借りているんだ」
母「？」
俺「？」

つまりだな、ジャニーズのチケットはファンクラブの名義とかいうので申し込みをして、チケットが当選したら自宅郵送っていう仕組みなんだとさ。
ここにいるジャニオタの皆様、これでおｋだよな？

Aさんの息子さんの名前を借りてファンクラブに入ってて、毎回申し込みをしてるんだと。
で、チケットが当たらなかった時とか申し込み忘れた時とかはAさんにチケットを用意してもらうみたいだけど、必ずAさんにはお金払ってると言ってた。

つーか最初からAさんからチケットもらえるんならもらっとけよと思ってしまったんだが。
オヤジ曰く、

「出来る限り自分で申し込みをして、自分で当てた実感が欲しい」

らしい。

しんごの為に頑張ってるってのを実感したいんだとさ。

オヤジにそれを言ったら

「その通りだな…」

「でも、父さんはしんごに会いたいんだ」

だから仕方ないじゃん？とでも言いたいのかこのオヤジ。
やっぱりウチワはおふくろに渡して正解だったと確信した。

俺は物凄い興奮状態で、スレ立てしたって訳だよ。
さっきオヤジに呼ばれたのは、オヤジ達が帰ってきたから。

おかん「ああっ、あなたきてぇ！！！！」
親父「ふんふんふんふんｈ（ああーしんごｷ゛ﾓｯﾁ゛ｲｲｯ！！）」

世の中いろんな人がいるもんだ

内容というか、オヤジは俺の部屋に取りにきたんだ。
例のやつを。

父「ありがとう」
俺「うん？何が？」
父「ほら、…しんご」
俺「あぁ、おふくろとどうなった？」
父「ん？あぁ、大丈夫だよ」
俺「何話したんだよ」
父「うん…しんごがな…」
俺「しんごはもういいからｗｗｗｗ何話したんだよ」
父「……」
俺「なぁ、頼むから離婚とかしないよな？」
父「大丈夫だ。お父さんは家族ときちんと向き合うから」
俺「ジャニーズもいいけど、家族大事にしてくれよ…」
父「あぁ」
俺「頼むよ」
父「……」（じっと俺を見てる）
俺「…なんだよ」
父「○○（俺）がなぁ、もう少し…、なら…ジャニーズに……なぁ？」

余計なお世話だ
ブサで悪かったな。テメーの息子だ

俺「離婚がないなら安心したよｗｗｗｗ」
父「あぁ、安心だから、父さんも安心させてくれ」
俺「何が？」
父「だから…！さっきの！！」
俺「さっきの？」
父「ウチワだ、ウ・チ・ワ！」
俺「あぁ、うん」
父「ウチワを早く！母さんに見つかる前に！」
俺「うん？」
父「さぁ！さぁ！」
俺「ｗｗｗｗｗ」

オヤジの必死な姿が面白すぎたｗｗｗｗｗ

もしかしたら俺は、大変な事をしてしまったのかもしれない。

父「……」
俺「…あはは」
父「…お前…」
俺「……」

俺は馬鹿だった。
オヤジがジャニオタｗｗｗｗマジキモイｗｗｗｗとか思って、スレ立てしてな。
オヤジはホモかもしれないとか言っちゃった事とか、今更だが後悔した。
オヤジがしんごを好きなのはよく分かってたが、ぶっちゃけ、しんごへの思いの強さｗｗｗみたいな物はさっぱり理解出来てなかった。
俺は馬鹿だったんだよ、マジで。

母さんに渡したんだな？とも聞かず、でも、察したらしいオヤジの、絶望的な顔が今でも忘れられない。
顔面蒼白なんだぜ。
俺、今まで生きててここまで後悔した事なかったよ。

父「…どうして…」（声裏返ってる）
俺「…だって、家庭崩壊になると思って…」
父「お、おとぉさんのぉ、思い出は家庭崩壊しないだろ！？」

オヤジｗｗｗｗｗｗｗ
オヤジ日本語話せてねぇええええｗｗｗｗｗ

しばらくふんがふんがしてたけど、オヤジは突然その場に座り込んで、蹲ってしまった。
俺は悪くない、悪くない、と自分に言い聞かせていたが。俺は、ふと思ったんだ。

俺の大切なエロゲを捨てられたらどうしよう？

何でこんな簡単な事に気付かなかったんだ、と。
俺、さっき戻り遅かっただろ。
探してたんだよ。朝回収だから、まだ袋のままだし。

結局、ゴミ袋から見つからなかったけどな。

そしたら、まだグッズが入ってると思わしき袋が残ってた。
どんなのだっけってもう一回オヤジに聞きに言ったりしてな。
探したよ。雨だから濡れないようにと思って、傘に懐中電灯口に銜えてな。探した。

あったよ。
綺麗なままであった。
多分、ゴミ袋まとめてる時に渡したのが良かったんだと思う。
特に破損する事なく、まとめて綺麗に入れられてた。

ネ申はまだ生きていた

書斎のオヤジに声かけたら、オヤジは今にも首を吊りそうな顔してたｗｗｗｗｗ

俺「ごめん」
父「いやいや…また買えばいいよ」
俺「でも見つけたんだぜ、ほら」

ウチワを渡すと、椅子にぐったり項垂れてたオヤジが飛び起きたｗｗｗｗｗ

うぉおおおおおお！！！と雄たけびを上げたいんだろうなとすぐ分かるくらいの興奮度のオヤジ。

やったな･･･オヤジ･･･

俺「……」

父「よく帰ってきたな、しんごぉおおおおお」

俺「……」

引いた俺は間違ってないよな？

頬擦りしてるよ、このオヤジ。

父「…あ、あと５０００円やる」
俺「（また金かよｗｗｗｗ）いらねーよ」
父「いや、ほら、やるから」
俺「いらねーって。ちゃんとケジメ付けろよ」
父「…父さん、万札しかないな…」
俺「マジいらないから」

父「１万円で　お　釣　り　はあるか？」

そんな感じで乙でした。

ちなみにあのボロボロウチワは、うちの猫にやられた物です。
あまりに酷かったのでヤケクソになってました。

読んでくれてありがとーございましたー